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2023.11.04
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4年生引退企画 ラストシーズンに懸ける想い SC 飯塚仁編

今年で引退をする4年生の「ラストシーズンに懸ける想い」をご紹介いたします。

塾高の入学式で偶然近くに座った山下に誘われてUNICORNS人生が始まった。選手の頃はとにかく必死で、あっという間に時間が過ぎ去っていった。DL6人、今思い返しても良いユニットだったと思う。多分全員が喧嘩したけど、ベストバウトは松田vs鎌田で間違いない。思い返すと塾高の頃から部停や謹慎、罰を何も食らっていないのは同期の中で俺くらいじゃないだろうか。奇跡の回避スキルに結局最後まで守られてしまった。

トレーニングが好きで、チームのことも好きだったから自然と大学ではストレングスコーチを選んで卓郎を誘った。外部から入ってきた人たちは全員塾高上がりよりもアメフトに対して真剣に向き合っていたけど、蓋を開けてみればやっぱり変な人たちだった。SCの先輩達には本当に伸び伸びと好きにさせてもらった。おかげさまで懲りずに毎週二郎を食べています。結果的に7年間このチームにいて選手、コーチ、主務といろんな角度から関わることで、個人個人に対する理解度も深まったと思っている。今振り返れば全ての時間が夢のような6年間だった。

 

2023年4月16日、夢が覚めた。残り半年を残して6年、3年共に過ごした大好きな同期が19人消えた。その後も毎月誰かが辞めていった。退部届にただ印を押した。止めることは無かった。庇うこともできなかった。部から離れた人たちの無念な気持ちは分からない。部に残った人たちの苦悩も共有することはできない。同期全員で走り抜けることが叶わなくなってからの記憶は全て鮮明に覚えている。

 

活動再開までの3ヶ月は途方もなく長く感じ、生きた心地がしなかった。結局大学4年間グラウンドに春は来ず、いきなり夏が始まる、そんな季節感が体に染みてしまっている。愚痴はたくさんこぼしたが、こんな所で終わらせてたまるかと踏みとどまれたのは、まだチームには後輩が大勢残っていたからだ。後輩にはまだまだチャンスが無限にある。彼らにはふさわしいフィールドで来年以降も戦って欲しいと本気で願っている。

 

8月1日にやっとの思いで活動が認められると、そこにいたのは知らないチームだった。鎌田のことは高校で同じポジションだったからよく理解している。告野も他のみんなもずっと一緒にやってきたからどうしてもわかってしまう。最後の半年、残った同期のみんなは随分寂しい背中になってしまった。グラウンドも周弐館でも覇気がない。自分も含め気持ちには熱が入らず、夏の暑さに全てが負けていた。

 

それでもリーグ戦最初の早慶戦をする頃には、少しはまとまったチームになっていた。一体何がそうさせたのか、どこでスイッチが入ったのかわからない。リーダーズをはじめ後輩達は頑張ろうとしてくれていたと思うし、実際よくやってくれていた。同期が減って唯一良かったことは、後輩とちゃんと向き合うようになったことだろう。今思うと高校の頃はあまり後輩の面倒を見てあげられていなかった気がする。新入生と部室で塾高の甲子園決勝を見て盛り上がったのは忘れられない思い出だし、2,3年生とこんなに一緒に昼飯を食べるようになるとは思わなかった。みんな指示を出すと素直に動いてくれたし、チームの組織図を変えようと持ち出した時も切り替えてその役割を果たしてくれた。君たちと過ごしたこの半年、これはこれですごく幸せな時間を過ごせたし、君たちは良いチームを作れたと思う。もうUNICORNSは4年生だけが引っ張るチームではない。2,3年、新入生でも意見を求められ、チームのために役割を担って、一緒に考えて練習を作る。これをもっとブラッシュアップできるように、来年の新入生も巻き込みながらそれぞれ胸を張って切磋琢磨してほしい。

 

秋の中央戦勝利は7年間のアメフト人生で最高の瞬間の中の一つだった。春に練習試合をした時にはレギュラーが消えたことによって、その実力差に絶望するしか無かった相手に耐えて耐えて耐え抜いて勝てた。この半年歩んだ選択肢を正解にできた、この瞬間のためにこの半年があったと喜びが込み上げた。初の横浜スタジアム、東大戦を最後に笑顔で終われるように、自分たちが積み上げてきたフットボールができることを願っています。最後のアップとキックメンツは全員気合入れて返事をしてくれるととても嬉しいです。

 

最後に、活動再開に向けて協力してくださった皆さん、本当にありがとうございました。小茂鳥理事、岡山さんには特に多くの時間を割いて向き合っていただきました。ジョルさんはここにはいないから言うけど、コーチルームで寂しそうな困った顔をされるとこちらも困ります。それでも色々言いたいことを堪えて最後まで明るく熱血キャラでいてくれたことには助かりました。

 

UNICORNSで関わった、支えてくれた周囲の方々、この部活動に理解してくれた友人達、全員に心から感謝しています。同期のみんな、最後の試合くらいみんなで見にきてください。もしかしたら後輩は何人か怒るかも知れないけど、俺は待ってます。